プロレスの萌えポイントを語る会

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諏訪魔の夏、2017

今年の夏の諏訪魔はカッコいい。

 

新宿FACEで行われた超戦闘プロレスFMWの興行のメインイベントに登場し、大仁田厚とストリートファイトマッチで対戦したことから始まり、その後も、諏訪魔の所属する全日本プロレスの社長・秋山準が拒んだにも関わらず、大仁田との電流爆破マッチを行い、そして自身が所属する全日本プロレスのリングでは前三冠ヘビー級チャンピオンである宮原健斗からシングルマッチ勝利、さらに敗れはしたものの石川修司の持つ三冠ヘビー級王座に挑戦し、熱戦を繰り広げた。

 

石川修司vs諏訪魔三冠ヘビー王座戦は試合前からファンの期待値が高く、当日は会場の後楽園ホールが超満員の観客で埋め尽くされた。しかも同日(7月17日)には両国国技館では大日本プロレスの年間最大のビッグマッチ、横浜ラジアントホールではアイスリボンセンダイガールズプロレスリングの興行があり、俗に言う興行戦争が勃発していたのだ。その中でも石川修司vs諏訪魔を選んだプロレスファンが多くいたのだ。

 

三冠ヘビー王座戦に敗れた諏訪魔は8月に迫った全日本プロレス45周年記念両国国技館大会での自身の対戦相手に新日本プロレス小島聡を指名した。

 

小島は2002年から2010年までの間、全日本プロレスに所属していた。小島が全日本プロレスに所属していた2004年にデビューした新人が諏訪魔(諏訪間幸平)。両者は過去に4度シングルマッチで対戦している。勝敗は諏訪魔の1勝3敗。だがその1勝はセコンドの介入があってのリングアウト勝ちという凄惨な内容であった。諏訪魔にとって小島はどうしても勝っておきたい先輩なのだ。

両者は2009年のチャンピオン・カーニバル公式戦で戦って以来、シングルマッチで対戦はしていない。と言うのも小島聡は2010年5月に全日本プロレスを退団したからである。退団理由は「左肘手術のため長期欠場に入り、会社に迷惑をかけてしまうから」と「武藤社長(当時)からの卒業」。小島退団当時の全日本プロレスは団体の看板選手(兼社長)であった武藤敬司が膝の負傷により長期欠場していた時。団体の看板選手がいない状況で、残った選手たちで「ここからまた頑張っていこう」という時に小島の退団があった。武藤の欠場、小島の退団と全日本プロレスのイメージが悪くなるような事が続いたわけだから、当時の全日本プロレス所属の選手たちからすればたまったものではなかっただろう。

当時の諏訪魔Twitterでこんなことをつぶやいている。

 

今回の退団については「逆境から逃げた」って言いたいよ! 若手とか非常に動揺があるし、今日バスの中でみんな動揺してるのがわかったし。

退団して手術するってきれいごと並べてるよね。手術して、また頑張れば良いのに。 どこかの団体に移籍する予定があるんじゃないの? 何のための全日本移籍だった? 全日本を軽くみないでくれ。

自分のことだけ しかやってねぇし、考えてねぇじゃねぇか。プロレス界をどうやって盛り上げるか真剣に考えて欲しいよ。 この辞め方はプロレスラーの辞め方じゃないし、一番会社に迷惑のかかる辞め方だよ。

ただでさえ武藤さんがいない状況なのに… まだまだ言いたいことは山ほどあるけど、俺自身が全日本を盛り上げて小島聡に、全日に残ってれば良かったと、みせつけるしかないね。 以上、退団についての つぶやきでした。

  

あれから7年の月日が経ったいま、諏訪魔はこう述べている。

 

あのときは「コノヤロー!」ってホントに思ってたけど、いま小島聡がやめた年に自分がなってみて、当時の状況っていうのもなんとなくいろんな理由があるんだろうなっていうのが、この業界を生きてきてわかるような気がするんだよね。(途中省略) そこ(小島の全日本退団)はもう俺の中で時効になってる。時がすべて流してしまった。

 

※週間プロレス No.1918より

 

 

この7年間、全日本プロレスもいろいろとあった。本当にいろいろとあった。だって7年前はプロレスリングNOAH所属で、定期参戦というかゲスト参戦すらしていなかった秋山準が今は全日本プロレスの社長なのだから。もちろん諏訪魔も小島もいろんな事があった。

7年前の夏、諏訪魔全日本プロレス両国国技館大会のメインイベントで鈴木みのるとの40分超えの激闘の末、三冠ヘビー級王者に返り咲き、小島は古巣・新日本プロレスのリングに復帰し、G1 CLIMAX優勝。あの夏には優勝を果たしたG1も今年の夏は公式戦1勝8敗。正直、現在は全日本プロレスにいた頃の最強の小島聡とはちょっと違う。さらに皮肉かな、この試合は全日本プロレス45周年記念大会のセミファイナルに組まれている。メインイベントこそ三冠ヘビー王座戦のものの、他のタイトルマッチよりも後に試合が組まれている。

小島聡があの頃の小島聡ではない現在、2人の長いストーリーがそこにあったとしても、新規のファンからすれば何故2人の試合がセミファイナルで組まれるのかよくわからないだろう。それをそこで組む全日本プロレス新日本プロレスとは全く違う路線を走っていて面白い。

 

全日本プロレス45周年記念大会のセミファイナルと言ったら、諏訪魔新日本プロレスのオカダ、あるいは棚橋なんかを指名しても良かったところ。しかし、小島を指名した。

プロレス界というものは規模の大きい団体ほど、団体の看板選手を他団体のリングに簡単に上げることができない。新日本プロレスの会社的にも4強(棚橋、オカダ、内藤、ケニー)を簡単に全日本プロレスに送ることはできないだろう。しかし諏訪魔の性格を考えると、本当に新日本の4強たちと戦いたかったら、「藤田和之とやろせろ!」「鈴川真一を出せ!」と過去に言っていたように、実現できなくとも、そんなのお構いなしに口に出しているはずだ。そんな諏訪魔がこの夏、小島聡の名前を口に出したのだ。

 

 

いま一番“プロレスラー”を体現しているのは諏訪魔なのではないか。

僕はなんでもありこそがプロレスの魅力だと思っている。今年の夏の諏訪魔は電流爆破に、三冠ヘビー級戦に、とまさになんでもありだった。両国国技館大会のセミファイナルを務めることもあれば、新宿FACE大仁田厚とストリートファイトすることもあるのだ。“プロレス”の幅が広い。今年の夏の諏訪魔はカッコいい。

 

新日本プロレスとは異なる路線でファンを魅了している全日本プロレス。その全日本プロレスの45周年記念大会のセミファイナルで諏訪魔小島聡が対戦する。

大仁田厚、電流爆破、三冠ヘビー級戦、と濃かった諏訪魔の夏の最後は小島聡との一騎討ちで終わりを迎える。

 

諏訪魔のこの夏の総仕上げが8月27日両国国技館で行われる。