ヤングライオン杯公式戦・川人拓来vs北村克哉は何が面白かったのか
今日の24時からBS朝日の「ワールドプロレスリングリターンズ」でこの試合が放送されるらしい。
ヤングライオン杯公式戦
この試合は一部のプヲタの間ではかなり評判だったけど、多くのプロレスファンの反響を呼んだかと言うと決してそうではない。
「北村が短時間で勝った」くらいしか記憶にないプロレスファンも多いことだろう。
でもこの試合、めちゃくちゃ面白いから。2017年の北村克哉ベストバウトだから。
当時の僕の心境付きで試合の展開を紹介するとザッとこんな感じ
いきなり川人がエルボー&キック連打
北村が川人をロープへ振る
ドーン!
もう一丁!
ヒップトス!
ボディスラム!
俵返!
起き上がった川人も反撃
北村、ギブアップだけはマジ勘弁🙏🏾
ヤバイ!三角いった!
お〜!
からのジャックハm…
ひょ…
あっぶねぇー😨😨😨
ヤバイヤバイ!川人、丸め込みで勝つ気だ!
…ん?
うぉーっ!うぉーっ!
ちゃんとリング中央へテクテク♪
キマッターーーーー!!!!!
ではなぜこの試合が一部のプヲタ(というか北村系界隈)からは面白かったと言われたのか。
3つに分けてポイントを紹介する。
① 前日に岡が川人に負けた
まずシチュエーションが良かった。
川人はこの試合の前日、ヤングライオン杯公式戦で岡倫之から丸め込みで勝っていた。
「強さ」だけで評価すれば、ヤングライオン杯出場メンバーだと岡と北村が断トツ。
だけど前日に“強い”岡が“先輩”川人に負けてしまった。
これが原因で北村ファンの僕は「ゲェーッ!もしかして川人vs北村もヤングライオン特有のキャリアが上の方が強いんですシステム発動しちゃうんじゃない?」という不安が生じた。
そんな不安を抱えたまま川人vs北村の一戦を見守っていた。
試合終盤、川人が北村にスモールパッケージホールドを仕掛けた時は「昨日の悪夢再びか!」と思ったけど、そこでまさかの北村が腰を下ろして踏ん張って、ぶっこ抜きジャックハマーを川人にズドン。
「今日北村が負けちゃうんじゃないか」という北村ファンの不安を、不安の原因である「川人の丸め込み」を力で潰すというこれほどないわかりやすいカタチで北村が吹っ飛ばしてくれた。
僕は8年以上プロレスファンをやっているけど、ジャックハマーが決まったあの瞬間ほど、試合を見ていて痛快な気分になったことはない。
② 2人ともめちゃくちゃ勝ちにいってた
技が限られた中でプロレスをするヤングライオンたち。彼らの試合に闘いあるのみなのは当たり前なんだけど、この試合は本当に二人とも「勝ち」に重きを置いていた。
川人はサブミッションで北村からギブアップを奪おうとしたけど、それが無理だと判断したら、“岡に勝った”丸め込みで勝負に出てきた。
対する北村もいつもよりアピール少なめ、技少なめ(スピアーすら出していない!!)で、「先輩だろうがお前みたいなチビには何が何でも負けないぞ」という姿勢だった。
試合時間こそ短いけど二人の「勝ちたい」という気持ちが伝わってきて、めちゃくちゃ良かった。
③ 俺たちが求めている北村克哉すぎた
北村がとにかく良かった。わかりやすい技ばかりで相手を攻めてる点(北村はカラダがデカイ分、動きが細かい技を多く出しちゃうと試合がブレちゃう)、いつもの隙だらけの筋肉アピールがなかった点、短時間で相手を仕留めたあたり、ファイティングスピリット、…など。
まあ色々あるけど、一番の注目ポイントはなんといっても最後のジャックハマー。
北村が概念をぶっ壊した。今まで外道クラッチを外道クラッチガエシーノだったり、スカイデスクールボーイを十字架固めだったりと「丸め込みを丸め込みで切り返す」のは見たことがあったけど、「丸め込みを豪快なフィニッシャーで切り返す」というのは初めて見た。
とりあえず川人の丸め込みに付き合って、カウント2で肩を上げて、観客をもっと盛り上げようなんて考えは北村になし!勝てるならさっさと勝つ。これこそ闘いではないのか。そしてこれこそ俺たちが求めていた北村克哉なのではないか。そう感じさせてくれる試合だった。
北村の味のある下手さが良い方向に転んだというか…(ヤメロ!)
…って感じで見どころだけじゃなく、試合展開もほとんど言っちゃったけど、今夜はみんなでBS朝日をチェック!