プロレスの萌えポイントを語る会

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ZERO1に心打たれた2017 -道場マッチ観戦レポ-

前回に続いてZERO1の話。

 

2017年11月24日、ZERO1の道場・TAKESHIBAコロシアムが入っているビルが、竹芝地区の再開発に伴い、取り壊しとなり、道場も2018年3月いっぱいで閉鎖されることが発表された。

これは選手やスタッフだけでなく、ファンにとっても悲しいニュースであった。というのも、ZERO1は道場にファンを入れて、“道場マッチ”なる興行を開催しているからだ。

ZERO1の道場マッチはいつも対戦カードが豪華で、いつか見に行こうと思っていた。しかし、「いつか見に行こう」ではもう見られないと思った僕は早速クリスマスイブに東京へ向かった。

 

先に感想を言うと、ZERO1の道場マッチは面白いという言葉で片付けられないようなものだった。観戦終了後、感覚が麻痺した。

そんなプヲタの僕の感覚を麻痺させたZERO1の道場マッチの観戦レポートをここに記すとする。

 

 

 

 

この日の道場マッチは開場は13時30分で、開始は14時。僕はギリギリまでDDTプロレスリング後楽園ホール大会を観戦していたため、開始時刻5分前の13時55分に着席。

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着席すると足もとにはウエイトトレーニング用の重り。

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右斜め後ろには田中将斗の黒さを作っている日焼けマシン。

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さすがプロレス団体の道場。

 

過去にZERO1後楽園ホール大会を見に行った時に試合開始時刻に興行がスタートしないなんてことを体験したが、この日の道場マッチはちゃんと14時ちょうどにスタート。

 

サンタコスプレのオッキー沖田リングアナウンサーの挨拶から始まったところで、山本リンダの『狙いうち』が会場に鳴り響き、三又又三GMが登場。

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オッキーと三又GMによるトークショーが始まる。

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小幡優作の天然エピソードや三又GMZERO1にやってきて驚いたこと、さらには三又GMによる選手たちのモノマネが披露され、会場がとても楽しい雰囲気に。

個人的には小幡優作のエピソードを話しているときの、

三又GM「小幡選手、なぜか火野(裕士)選手にだけ心を開くんですよね」

オッキー「そうなんですよ。小幡選手は火野選手にだけ心を許してるんですよね」

という二人のやりとりが面白かった。

確かに小幡も火野もKAIENTAI-DOJO時代からの仲だから、小幡が火野に心を開いているのは分かる。しかし、僕が面白いと思ったのはそういうことではない。

現在ZERO1のリングでは小幡がベビーフェイスで火野がヒールの立場にいるので、あまりベビーvsヒールの抗争を売りにしていないZERO1ではあるが、一応両者は敵対関係にあるのだ。

話を聞きながら「え、『ひの選手』って火野裕士しかいないよね?他に『ひの』っていう名前のレスラーいたっけな?」と心の中で思った。まあこういった多少のツッコミどころがあるのも僕がZERO1を推す理由だったりする。

 

そしてオッキーと三又GMだけでは話が続かないということで、10月にデビューした新人の福島昇治と岩崎永遠が登場。

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三又GMが「日高(郁人)と菅原(拓也)だったらどっちが嫌い?」と2人に質問し、会場大ウケ。

 

30分ほどのトークショーが終わり、三又GMの「ひー、ふー、みまっ、ター!」のオープニングコールとともに試合へ。

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第一試合は「技交換&カバン使用OK」3wayマッチ 30分1本勝負

日高郁人vs横山佳和vsKAMIKAZE

 

自分の得意技を試合中に使えないという特殊ルールで行われた試合。道場マッチのオープニングに相応しい楽しいプロレス。写真を見てもらえばお分りいただけるだろう。

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日高郁人(7分12秒 逆さ押さえ込み)横山佳和

 

と、ここまではクリスマスイブかつZERO1の2017年最終興行ということで、ファン感謝祭的要素が強かった。

だが、ここからガラリと空気が一変する。

 

第二試合は「獅子王への道3」シングルマッチ 30分1本勝負

福島昇治vs高岩竜一

 

この試合は新人の福島に用意されたチャレンジマッチ。試合開始のゴングが鳴ると、ロックアップからのグラウンドの攻防という基本的なプロレスが展開される。

福島は高岩をほとんど攻めることができず。

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高岩の攻めをひたすら耐えている間に5分が経過。ここで高岩が福島を起き上がらせて、胸に強烈なチョップを打ち込む。暖房のない寒い会場に「パチンッ」という何かが破裂したような音が響く。

それでも福島は倒れることなく、お返しとばかりに高岩の胸にチョップを打ち返す。

すると高岩も更に強烈なチョップを打ち返し、チョップ合戦が始まる。

チョップ合戦は高岩が制したが、怯むことなく福島は高岩にエルボー、ドロップキック、とガンガン攻める。 

そして回転エビ固め→スモールパッケージホールド→逆さ押さえ込み、と丸め込み技を連発。

しかし、高岩にカウントを返されると、すぐに形勢が逆転。最後はデスバレーボムで高岩が福島に勝利。 

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高岩竜一(11分47秒 片エビ固め)福島昇治●

 

試合全体を通して、高岩が福島をロープに振る場面が一度もなかった。試合内容の大半がグラウンドの攻防と打撃だった。複雑な技は一切なく、ほぼ基本技しか繰り出されなかったが、試合終了後の「プロレスを見た」感が半端なかった。

福島も丸め込み3連発であわよくばといった場面を見せていて良かった。

 

 

続いて第三試合。「獅子王への道3」 シングルマッチ 30分1本勝負

大谷晋二郎vs岩崎永遠

 

こちらも第二試合と同じく、新人・岩崎のチャレンジマッチ。試合開始のゴング直後に岩崎は大谷にエルボー連打。

大谷を場外へ出した岩崎は、リングの中央から「来いよ!逃げんなっ!」と叫ぶ。

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リングの中へ戻った大谷は怒りの表情で岩崎を殴る、蹴る、さらには逆エビ固めとボッコボコに。レガースではなく、革製のリングシューズを履いた大谷が岩崎を蹴った時に響いた重たい音には客席から悲鳴も。

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何度も立ち上がった岩崎だったが、大谷にリング中央で逆エビ固めの体勢で捕らえられ、どっしりと腰を下ろされるとあえなくタップ。

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大谷晋二郎(10分10秒 逆エビ固め)岩崎永遠●

 

岩崎が大谷を攻めることができなかったというより、大谷が見せ場を作らせなかったといったところ。

ほとんど攻めることはできなかったが、何度やられても目が死んでいなかった岩崎が印象深かった。

とにかく大谷が岩崎をボコボコにしていた。リングアナのオッキーも試合中に岩崎へ「起き上がって!」と声援を送っていたほど。

観客65人の前で見せるかわいがりではなかった。「ここ、後楽園じゃないよ。大谷さん、そこまで叩き潰す?」と思った。

 

 

試合後に大谷が岩崎に握手を求めて手を差し出すと、岩崎は大谷に張り手。

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もう一度大谷が手を差し出しても、岩崎は張り手。

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これが計6回繰り返され、大谷も思わず「握手しろよーっ!」と笑う。

 

最後に大谷が「おしおし」と小声で言い、客席に向かって拍手を求めたときには愛を感じた。

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頑なに握手をしない岩崎も良かった。

 

 

 

第四試合はキャプテンフォールマッチ 30分1本勝負
©︎小幡優作佐藤耕平&SUGI vs ©︎田中将斗菅原拓也&ハートリー・ジャクソン

 

2018年1月1日後楽園ホール大会で行われる王者・田中将斗vs挑戦者・小幡優作の世界ヘビー級選手権試合の前哨戦。また、この2人のうちのどちらかが負けるまで試合が終わらないというファンにとっては贅沢なルール。

ZERO1の2017年最終試合に相応しいが、「この規模の会場でやっていいの?」といらぬ心配をしてしまうほど豪華な対戦カード。

 

この試合は面白すぎて完全に見入ってしまい、写真を撮ることもできなければ、メモを取ることもできなかった。

いつの間にか隣にいた三又GMも「えーっ!」や「もう一丁いく?」など独り言を漏らしていた。

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 (※写真は試合後の菅原拓也に蹴られて、大きなリアクションをするわけでもなく、無言で菅原から距離を置く三又GM)

 

 

①○菅原拓也(10分4秒 ラ・マヒストラル)佐藤耕平

スーパーヘビー級佐藤耕平からジュニアヘビー級菅原拓也が3カウントを奪うというサプライズ。しかし、そのサプライズに驚く暇もなく、めまぐるしい展開が続く。

 

②○菅原拓也(16分21秒 田中将斗のスライディングD→エビ固め)SUGI●

SUGIの壇ノ浦(スワンダイブ式ドラゴン・ラナ)が菅原に決まり、レフェリーがカウントを入れている中、田中がSUGI目掛けてスライディングD。

そのまま菅原がエビで固め、カウント3。


③○田中将斗(18分21秒 スライディングD→体固め)小幡優作

田中組は3人全員残っているのに対し、小幡組はキャプテンの小幡のみ。

3人を相手に孤軍奮闘する小幡だったが、田中のスライディングDに沈んだ。

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試合後、マイクを握った王者の田中が「今日の結果からも分かる。俺がオマエに負けることは絶対にない」と挑戦者の小幡へ辛辣な言葉を残して退場。

一人リングに取り残された小幡は息を切らしながら、「俺に負けることはゼッテェないんだろ?みんなの予想覆して、ゼッテェ(そのベルトを)獲るからな」と普通のマイクアピール。この不器用な感じが小幡の魅力である。

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最後は小幡が新しく考えた締めの言葉、「俺についてこーいっ!」で終了。

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クリスマスイブということで帰り際にはこんな可愛らしいポートレートのプレゼントも。

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観戦終了後、本当に面白いプロレスを見た時の多幸感に僕は浸った。

この感覚、何か身に覚えがある。そう、夏のZERO1後楽園ホール大会の帰りに感じたあの多幸感である。

いや、むしろ今回の多幸感はあの夏に感じたそれを超えていたかもしれない。

「たった65人の観客相手になんでそんなに全力で試合をするの?」と思うほど、熱い試合ばかりだった。会場の規模と試合の熱さの比が合致していなかった。

感覚が麻痺した。現在の僕は「一番凄げえのはZERO1なんだよ!」状態。

「道場マッチ」と聞いたらファン感謝祭的な興行を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、予想以上にガッツリとしたZERO1の本興行だった。「道場マッチ」という言葉がこの面白さを殺してるのではないかと思うほど。

 

収容可能人数が少ない道場での興行はテレビ中継もなければ、週刊プロレスのレポートもないので、同じ都内で開催される後楽園ホール大会に比べて、明らかに発信力がない。だが、僕が見に行った道場マッチには後楽園ホール大会と変わらぬ、熱い試合が詰まっていた。

 

ZERO1の選手たちは会場の規模に関係なく、熱い試合を提供しているのだなと痛感した。 

 

 

 

ちなみに今後の道場マッチのスケジュールがコチラ ↓

 

◆1月 7日(日)
◆1月14日(日)
◆1月21日(日)
◆2月11日(日)
◆2月25日(日)
◆3月11日(日)
◆3月31日(土)

竹芝駅西出口を出ると、目の前にあるので道に迷うこともなし。

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これだけ楽しめるのにチケット代も安い。

今しか見られないTAKESHIBAコロシアムでのZERO1の興行、是非行ってみては?

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ZERO1に心打たれた2017 -夏-

今年の8月26日は金沢駅前の商店街のお祭りで開催された観戦無料の女子プロレスからZERO1高岡大会をハシゴした。

観戦無料ということもあって、女子プロレスの会場には老若男女問わず様々な層の観客が見られた。僕は橋本千紘Tシャツを着て観戦していたのだが、会場で選手Tシャツを着ていた観客は僕を含めて片手で数えられるほどだった。会場にいたその多くはプロレスファンではない様子が伺えた。

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非プロレスファンこそ多かったが、試合が始まると会場は大盛り上がり。メインイベントで勝利したアジャコングが「また来年もここに来ていいですか」と問いかければ、客席にいた子どもたちは大喜び。なんとも微笑ましい光景だった。

そんな光景を見て、心が温まったところで、金沢からZERO1の興行がある富山県高岡市へ移動した。

 

会場の高岡テクノドームに着くと、そこには衝撃的な光景があった。驚くほどにガラガラなのだ。週刊プロレスTwitterを通してZERO1が観客数に伸び悩んでいることは知っていたが、富山県小幡優作の出身地でもあるので、それなりに観客が集まるものだと思っていた。しかし、予想以上に寂しい観客数だった。

つい1時間ほど前まで大盛り上がりのイベントプロレスを見ていたからなのか、会場に入った瞬間、不思議な気分に陥った。さっきまでいた会場とは真逆の空間に来たような感覚。

 

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そんな僕の不思議な気分が熱いものに変わる場面があった。ZERO1の興行の一つの盛り上がりポイントである、大谷晋二郎の顔面ウォッシュに合わせてみんなで叫ぶ「オイッ、オイッ」の掛け声。これがこの日はイマイチ盛り上がらなかったのだが、それでも必死に観客を煽る大谷晋二郎の姿とプロレス少年のような顔をして、観客の誰よりも「オイッ、オイッ」と叫んでいるオッキー沖田リングアナウンサーの姿を見ると、なんて愛のある団体なのだろうと思えてきたのだ。僕は旗揚げ当時からずっとZERO1を応援してきたわけではない。だがあの光景を見た時、ZERO1の人たちが報われる日が来てほしいと心底思った。プロレス会場でこういった感情を持ったのは初めてだった。

そんな熱い思いの中、この日は会場を後にした。

 

 

 

それから5日後の8月31日、僕はZERO1後楽園ホール大会を見に行った。

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8月26日にZERO1高岡大会を見終えた後に夜行バスに乗って東京へ行き、

 

27日 全日本プロレス両国国技館大会&FREEDOMS後楽園ホール大会観戦

28日 神保町・書泉グランデでの天龍源一郎イベント参加

29日 鈍行電車で東京から仙台へ移動→センダイガールズプロレスリング観戦&楽天vs西武観戦

30日 センダイガールズプロレスリング道場での仙女サークル参加

31日 鈍行電車で仙台から東京へ移動→ZERO1後楽園ホール大会観戦

 

といった強行スケジュールを続けていたので、さすがに体力が限界を迎えていた。

過去にも疲労がピークを迎えて、プロレス観戦中に寝てしまったことがあったので、今回もそうなるのだろうと思っていた。

 

しかしながら、いざ試合が始まると、全く違った。むしろ疲れなんて吹っ飛ばしてくれるような興行が待っていた。

笑いあり(横山佳和)、涙あり(田中将斗vs拳王)、熱狂あり、空中技あり(SUGI)、バチバチあり(奥田啓介)、スリリングあり(TARUの入場)、カオスあり(三又又三と観客の野次)といったプロレスの面白い要素が全て詰まっていると言っても過言ではない興行だった。

特にメインイベントの世界ヘビー級選手権 田中将斗vs拳王の試合は言葉では言い表せないほどの興奮を覚えた。30分が経過し、時間切れ引き分けのゴングが鳴った時には自然と涙が溢れてきた。8年前の夏にプロレスと出会って以来、毎日プロレスについて考えている僕が「あれ、プロレスってこんなに面白かったっけ?」と思ったほど、面白かった。

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興行全体を通して、他団体所属やフリーの選手の参戦も多かったことは確かだが、ZERO1のリングにはどの団体よりも闘いがあった。ハイカラなコスチュームを身にまとった若手注目株選手がいるかと言うとそうではない。プ女子受けするものがあるかと言うとなんとも言い難い。でも、僕はあの日、後楽園ホールで確かにプロレスを見た。ホンモノのプロレスを見た帰りは多幸感に溢れるということを知った。あの日の興奮は今でも忘れられない。

 

幸せな気持ちになったのと同時に悔しい気持ちも湧いてきた。素晴らしい興行だったのに大会中継がないと知ったからだ。今ZERO1はどこよりも熱いプロレスを提供しているのに、うまく世間に魅力を発信できていない状況にあるのだ。もっと言うと、「後楽園ホールが埋まらない」という事実だけが一人歩きしている状況にある。8月31日の後楽園ホールも確かに空席が目立っていた。しかし、『客が入らない=つまらない』ではないということをこのブログを通して言っておきたい。

 

 

 

三又又三GMは『KAMINOGE vol.72』のインタビューでこんなことを言っている。

 

「後楽園スッカスカのZERO1には何かオヤジを勃起させる魅力があったんですよ」 

 

僕は現在18歳。決してオヤジと言える年齢ではないが、この言葉には共感できた。

あの日のスッカスカの後楽園ホールには18歳の心に訴えかけてくるものがあった。

 

 

 

 

ZERO1の選手、関係者には本当に報われてほしい。この面白さを中継で伝えられないのなら、実際に会場に足を運んでもらうしかない。

 

今のZERO1のプロレスの面白さを一人でも多くの人に知ってもらいたい。

プロレス見たいならZERO1に行くべし!

J-CUPとイケメンと私

黒潮二郎、彼を知ったのは2011年12月。僕が小6の頃。彼がデビューした団体、SMASHをよく見ていたので、デビューから間もない頃の彼の試合映像も当然見ていた。その頃の印象は「なんかよく目立つ新人が出てきたなー」というくらい。

 

2012年春、SMASHの解散に伴い、彼は師匠・TAJIRIが旗揚げした新団体、Wrestling New Classic (以下、WNC)の所属となった。

WNCの大会中継が放送されるJ SPORTSに加入していなかったこともあり、僕は彼の試合映像を見なくなった。

試合映像こそ見なくなったものの、週刊プロレスを通して彼の情報はなんとなく追っていた。誌面を見て、「あの新人、今は水泳帽被って試合してんのか」や「DQNってユニットにいるんだ」、「WNC活動停止したからWRESTLE-1の所属になったんだ」など、その程度に知っていた。そこから動画サイトで試合映像を検索して、見てみようと思うことはなかった。

 

しかし、出会いは突然やってきた。

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WRESTLE-1と芦野ナショナリズム

WRESTLE-1武藤敬司を筆頭に全日本プロレスを退団した選手たちによって2013年9月8日に旗揚げされたプロレス団体。旗揚げ当初は興行の全対戦カードを当日発表にしたり、控え室での選手間のいざこざを会場内に映像で流したりとWWEインパクレスリングに代表されるようなアメリカンプロレスの要素を多く取り入れたエンターテイメント性にあふれる興行をファンに提供していた。
 
しかし、旗揚げ当初は絶好調だったWRESTLE-1だが、見慣れない興行スタイルに対して、観客の数はみるみるうちに減っていった。
月に一度のペースで開催している後楽園ホール大会は次第に空席が目立つようになり、2014年は季節に一度のペースで開催していた両国国技館での興行も2015年以降は開催されなくなった。
 
WRESTLE-1が抱えた問題は観客の数だけではなかった。観客の数が次第に減っていくとともに、旗揚げメンバーたちも続々と退団していったのだ。2016年7月には主要所属選手5人が同時退団するという事態もあった。
 
現在は映像の多用も対戦カードの当日発表もしていないわけだが、WRESTLE-1には悪いイメージを持っているプロレスファンがまだいることだろう。
 
しかしながら、WRESTLE-1には未来がある。なぜならば、WRESTLE-1には芦野祥太郎がいるからだ。 続きを読む

未来の顧客満足度No.1プロレスラー、北村克哉

「お客さんはレスラーの体を見にきているんだぞ。チケット代の半分はオマエらの体だ。銭のとれる体になれ!」

(「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」飛鳥新社 p48より)

 

これは棚橋弘至新日本プロレスの新弟子の頃に故・山本小鉄さんから受けた教えだ。 続きを読む

北村克哉選手がたまらない

2016年1月3日、ディファ有明で開催された「大プロレス祭り」にて岡倫之と北村克哉の新日本プロレス入団が発表され、公開記者会見が行われた。

 
他団体の選手の移籍ではなく、デビュー前の新人の入団が発表されるのは近年の新日本プロレスでは異例である。新日本プロレスではデビュー前の新人は練習生として新日本プロレスの道場(寮)に住み込み、練習や雑務の経験を一定の期間(※)重ねて、プロレスラーとしてデビューする運びとなる。入門テストに合格しても、厳しい練習生の期間中に挫折して、夜逃げするケースが多いプロレス業界。新日本プロレスでプロレスラーデビューすることを夢見た練習生がいつ夢を諦めるかわからない。道場に住み込む前にファンに対して新人の実名と経歴を発表してファンを煽るなど異例なのだ。裏を返せば、それほどすごい新人なのだ。
(※一定の期間…個人によって差がある)
 
岡倫之は2013年に新日本プロレスの公開入門テストに合格し、全日本レスリング選手権大会フリースタイル120kg級優勝などのレスリングの実績を買われ、新日本プロレスの親会社であるブシロードレスリング部である「ブシロードクラブ」所属のレスラーとなった。“プロレスラー”ではなく、“レスラー”としてスタートしたものの、ゆくゆくは新日本プロレスに入門してプロレスラーデビューすることを宣言していた。
 
岡は新日本プロレスの公開入門テストに大好きなアニメのTシャツを着て参加するほどアニメが大好きで、近い将来新日本でデビューする“アニメオタク”としてプロレスラーデビュー前から新日本プロレスファンの間で認知されていた。また後楽園ホールなどの東京都内(または都内近辺)で新日本プロレスの興行があるときは会場のグッズ売店にてファンと交流していたこともあり、新日本プロレスファンに認知されていた。
 
そして近年新日本プロレスでデビューを果たしたプロレスラー、通称「ヤングライオン」たちに比べ、圧倒的なカラダの大きさを誇ることやレスリングのバックボーンがあることから、他のヤングライオンよりも会社やファンに“スーパールーキー”扱いされていた。
 
そんな岡の新日本プロレス入団の発表はファンにとって「いよいよ期待の新人がプロレスの門を叩くのか」といったところだったが、北村克哉の入団が発表されたときは頭に「?」が浮かんだプロレスファンも多かったことだろう。
 
その北村克哉という男は185cm、115kgの岡よりも筋骨隆々であり、“ヤングライオン”特有の初々しさのかけらもない色黒な肌をしていた。それもそのはず、北村克哉は2016年1月3日時点で既に30歳だったのだ。ちなみに岡は当時24歳。30歳でプロレスの門を叩くとは遅い。岡と北村の入団が発表された日にデビューを果たした川人拓来は当時18歳だ。これは遅い。いくら妻子を背負ってないとしても30歳で練習生として一から始めるのは極めて珍しい。ちょっとこの人おかしいかも。
 
しかも記者会見にスーツ姿で登場した岡に対して、北村はTシャツに迷彩のチノパンで登場。うん、やっぱりこの人おかしい。
 
更に北村はリング上でTシャツを脱ぎ捨て、自慢の肉体を披露。デビュー前の新人がリング上で肉体を自慢するとは。狂ってる。
 

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しかしそんな北村克哉の経歴をアナウンスされて、驚いた。岡同様、全日本学生選手権フリースタイル120kg級優勝などのレスリングの実績があって、このカラダ。北村も新日本プロレスの“スーパールーキー”だった。

 

その2日後の新日本プロレス後楽園ホール大会のオープニングで挨拶をしたっきり、2人は厳しい練習期間へと入り、ファンの前に姿を表すことはなくなる。

 

2017年になり、岡は1月3日にディファ有明永田裕志を相手にデビューを果たした。会場で雑務をこなす北村の姿も見えるようになった。道場だけではなく、会場でも雑務をこなすようになれば、プロレスラーデビューも近いという意味だ。

 

今日から3日前の3月11日に僕は愛知県体育館で行われた新日本プロレスの興行を観戦してきた。開場時にはホウキでリング周辺を掃除する北村練習生の姿があった。その北村練習生の元にファン(?)がやって来て、差し入れのプロテインらしきものを渡していた。そしたら北村は会場に響き渡る声で「ありがとうございまーす!」と言いながら、お辞儀をしていた。やはり体育会系なだけあってお礼と声は人一倍大きい。そしてそのファンらしき人にツーショット撮影を頼まれた北村練習生は「本当はダメなんだけどなぁ〜…」といった顔をして、掃除をするフリをしながら、目線をカメラに向けていた。その時の「ダメなんだけどな」という顔がすごかった。差し入れを受け取ったら大声で感謝を表し、雑務をサボっていると勘違いされないか不安になれば露骨に顔に出す。その目は少年のような目だった。まさに“バカ正直”な男といったところ。

 

そして昨日3月13日、中西学のインフルエンザによる欠場を受け、北村克哉が急遽デビューを果たした。岡とタッグを組んで、タマ・トンガ&タンガ・ロアの元IWGPタッグ王者チームとの対戦。やはり扱いが違う。試合には敗けたものの、会場で北村デビュー戦を見守ったファンが撮った写真をSNSで見る限り、北村は相手チームよりもはるかに大きいし、はるかに黒い。さすがスーパールーキー、31歳でデビューを迎えても、遅れを感じさせない風格がある。

 

プロレスラーは変わった職業だ。家族や恋人との時間を犠牲にして、自分の体も犠牲にして、全国を渡り歩く。いつ選手生命が終わってもおかしくはないし、もっと言えばその日に死ぬかもしれない。こんな職業、他にない。

さっき北村のことを「狂ってる」と表現したが、極論を言えば、こんな職業をしている“プロレスラー”は全員狂ってる。北村は31歳でデビューをした。他のプロレスラーのデビュー年齢よりも明らかに遅い。狂ってる。

 

しかし遅咲きのデビューをしても、北村は誰にも文句を言わせないカラダを持っている。

正直、カラダ“だけ”はすごいプロレスラーは世界にたくさんいる。筋肉はすごいが、レスリングはイマイチなプロレスラー。しかし北村はレスリングでの実績も誇っていて、一年以上の練習生期間を経て、デビューを果たした。

遅めのデビューにも関わらず、スーパールーキー扱いをされてしばらく大変だろうけど、北村克哉、頑張れ。

北村克哉、バンザイ。