プロレスの萌えポイントを語る会

〜迷っても行けよ 行けば分かるさ〜

僕だけの北村克哉撮影会レポ

1月30日の昼下がりにあるニュースが僕の目に飛び込んできた。

 

 

僕は北村克哉ファンである。それも熱の入った。頻繁に会場まで足を運んでるわけではないけど、新日本プロレスワールドで彼の試合映像を繰り返し見てるし、新日本プロレス公式スマホサイトに加入して彼のコラムを読んでるし、彼のSNSが更新されたらスマートフォンに通知が来るように設定してる。Tシャツを作って本人にプレゼントしたことだってある。

 

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※僕が作ったTシャツを着てくれている北村 

(本人のインスタグラム@katsuya.kitamuraより)

 

このイベントが開催される2月17日はヒートアップ王子大会を観るためにちょうど東京にいる予定だった。僕はなんて運が良いのだろうか。富山在住の僕が東京にいる時に大好きなプロレスラーが東京で撮影会イベントを開催する。状況は完璧に整った。これはもう行くしかないと思った。

すぐさま東京で暮らしている姉に連絡し、闘魂SHOP水道橋店まで撮影会の整理券を取りに行ってもらった。

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それから2週間後の2月17日、撮影会当日の13時ごろ、北村克哉撮影会が行われる闘魂SHOP水道橋店の目の前にある「筋肉食堂」へ入った。

お店に入るとすぐに、店員が僕の着ている自作北村克哉パーカーを見て、「北村さんのファンなんですね」と。

 

そう、「筋肉食堂」は北村がプロレスラーに転身する前、トレーナーとして働いていた時代の職場の先輩が営んでいる飲食店なのだ。

その事実をSNSサムライTVを通して知っていた僕は、「もしかしたら撮影会の前に北村に会えるんじゃね?」と思って、店に足を運んだのだ。

 

 

店員「今ちょうどあちらにご本人がいらしてるんですよ!ちょっと待ってくださいね」

 

店員の指す方を見ると、冬だと言うのにタンクトップ一枚で、嬉しそうにスマートフォンをいじっている北村克哉がいた。

お〜っ!北村じゃん!腕太っ!そんで腿が太すぎるからか脚細っ!

 

店員が北村のいる席まで僕を案内してくれた。

 

北村「(僕のパーカーを見て、笑いながら)うおー!すっごい!」

 

僕「前にTシャツをプレゼントした富山の高校生です!今日は富山から来ましたよ!」

 

北村「あ~!はいはい!ちなみに『Who's next?』のTシャツを作ってくださったのも…(と言って僕の目を見る)」

 

僕「あ〜、いえ、それは違います!」

 

 

うん、僕のツイートじゃないけど多分コレのことかな。

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さすがエゴサーチスキルが高い北村。さすが海外プヲタツイッタラーの「Kitamura」という単語にまで反応してリツイートする北村。このツイートまで見てたとは。 

てかコレを見て、「作ってくださった」と認識できるのが凄い。これはデザイン案だよ、北村!

 

 

北村「(かなりトーンを落として)あの〜、前に作っていただいたあのTシャツなんですけど、元同僚から『欲しい』という声がたくさんありまして...」

 

 

つまりもっと作ってほしいということか、北村。

今、天下の新日本プロレスのレスラーが高校生を相手に遠回しにTシャツを作ってほしいとお願いをしている。僕と北村以外の第三者がこの光景を見たらどう思うのだろうか。だけど不思議と嫌じゃない。相手が高校生だろうと欲しいものは欲しいと伝えられるような北村克哉のピュアハートに魅力を感じているからだ。悪い印象を受けるどころか、僕のイメージしてたとおりの北村克哉すぎて、むしろ好印象なのだ。

 

この他にも少しだけ会話をして、まだ食事の注文を終えていない僕は席に戻った。

 

僕「以前プレゼントしたTシャツ、インスタにもアップしてくれてありがとうございました!」

 

北村「はい!また後でよろしくお願いします!」

 

 

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それから約1時間後の14時。撮影会開始時刻。撮影会参加者が闘魂SHOP水道橋店の前に集まっていた。

みんなが今か今かと北村克哉の登場を待っている。

きっと今ここでそんなにワクワクしていないのは僕だけなんだろうな。

 

 

5分後、闘魂SHOPからパーカー姿の北村が登場。さっきと違って、バッチリ髪がセットされてる。

登場した北村をファンが囲んで、新日本プロレス公式サイト用の集合写真撮影へ。

 

ここで北村が「暑いな」とパーカーを脱いで、タンクトップ姿になると、ファンたちが「お〜っ!」。

これ、さっき飲食店で一人で叫びそうになったんだよ。

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そしていよいよ北村とのツーショット撮影の時間。

 

北村「あ〜先ほどはどうも!」

 

僕「これ、今僕が着てるパーカーと同じデザインのTシャツです!受け取ってください!パーカーはサイズがなくてちょっと作れなくて…」

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北村「ありがとうございます!ポーズはどうされますか?」

 

僕「ハグとかいいですか?」

 

北村「はい!」

 

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一枚目はハグ。理由は北村のカラダを感じたかったから。北村のカラダは固かったけど、固さの奥にどこか柔らかさを感じさせるカラダだった。

 

 

 

北村「次は?」

 

僕「スリーパーで!」

 

北村「いきますよ」

 

僕「はぃ…」

 

イベントスタッフ「落ちちゃってる!」

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北村のスリーパーは苦しかった。本人は極めるつもりはなかったのだろうけど、さすがはプロレスラー。あのままホールドされてたら僕はきっと落ちてたことだろう。ちゃんと極まっていた。

フザけて苦しい表情を作るつもりが、フツーに苦しい表情に。てか北村、脇締めてるし!

 

 

僕「今日はありがとうございました!プレゼントしたTシャツ、是非自作タンクトップ※に!」

 

北村「お〜いいんですか!自作タンクトップ!ザックザック切っちゃいましょうか!(今日イチのテンションで)」

 

※自作タンクトップ...詳しくは本人のインスタグラムで

 

 

 

 

生で見た北村克哉は超ハイテンションだった。相手が子どもでも大人でもないような年齢の僕だろうと、大人だろうと、子どもだろうと、女性だろうと、男性だろうと。また、終始嬉しそうだった。

定員が100人の撮影会イベントにも関わらず、北村のファンサービスが良すぎて、一人ひとりの接触時間が長引き、参加者全員の撮影が終わるまでに2時間もかかった。

そういえば「筋肉食堂」で北村は嬉しそうな顔をしてインスタグラムを更新していた。

本当にファンが大好きなんだなあと思って、なんだか微笑ましくなった。

 

ファンと楽しそうに触れ合う北村克哉を見て、この人はプロレスラーに成るべくして生まれた人なんだなと思った。プロレスはファンがいてこそ成り立つ商売だということを北村はわかっていた。いや、違う。もしかしたらわかっていないのかもしれない。自分を応援してくれるファンの存在が嬉しいだけなのかもしれない。

ただ一つだけ確信したことがある。北村はビッグになる。北村はスターになる。あの日僕が感じた北村克哉のオーラはプロレス1年目のレスラーが放つそれではなかった。

 

整理券をゲットしてから撮影会当日を迎えるまでに、七番勝負の北村の不甲斐ない試合を見て、「そんな“闘い”のない試合やってたらダメだよ」とガックリしていた。でも間近で北村克哉に触れてみると、そんなの全部吹き飛んでいった。

北村はいいレスラーになる。試合内容を良いものに改善することはできても、「Tシャツは欲しい」、「自分のことを応援してくれるファンは大好き」、というあのピュアハートは作ろうと思って作れるものじゃない。ファンがいて初めて成り立つ「プロレス」にあれほど適合した人はいない。そう思った。あとは試合。

 

北村、vs川人拓来戦で見せてくれたあの“闘い”を見せてくれ!そしていつか新日本の頂に立ってくれ!売れてくれ!

 

しょっぺえ時ホントしょっぺえけど、北村ならいいレスラーになれるよ!僕は確信したから!

 

 

 

 

 

ZERO1に心打たれた2017 -道場マッチ観戦レポ-

前回に続いてZERO1の話。

 

2017年11月24日、ZERO1の道場・TAKESHIBAコロシアムが入っているビルが、竹芝地区の再開発に伴い、取り壊しとなり、道場も2018年3月いっぱいで閉鎖されることが発表された。

これは選手やスタッフだけでなく、ファンにとっても悲しいニュースであった。というのも、ZERO1は道場にファンを入れて、“道場マッチ”なる興行を開催しているからだ。

ZERO1の道場マッチはいつも対戦カードが豪華で、いつか見に行こうと思っていた。しかし、「いつか見に行こう」ではもう見られないと思った僕は早速クリスマスイブに東京へ向かった。

 

先に感想を言うと、ZERO1の道場マッチは面白いという言葉で片付けられないようなものだった。観戦終了後、感覚が麻痺した。

そんなプヲタの僕の感覚を麻痺させたZERO1の道場マッチの観戦レポートをここに記すとする。

 

 

 

 

この日の道場マッチは開場は13時30分で、開始は14時。僕はギリギリまでDDTプロレスリング後楽園ホール大会を観戦していたため、開始時刻5分前の13時55分に着席。

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着席すると足もとにはウエイトトレーニング用の重り。

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右斜め後ろには田中将斗の黒さを作っている日焼けマシン。

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さすがプロレス団体の道場。

 

過去にZERO1後楽園ホール大会を見に行った時に試合開始時刻に興行がスタートしないなんてことを体験したが、この日の道場マッチはちゃんと14時ちょうどにスタート。

 

サンタコスプレのオッキー沖田リングアナウンサーの挨拶から始まったところで、山本リンダの『狙いうち』が会場に鳴り響き、三又又三GMが登場。

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オッキーと三又GMによるトークショーが始まる。

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小幡優作の天然エピソードや三又GMZERO1にやってきて驚いたこと、さらには三又GMによる選手たちのモノマネが披露され、会場がとても楽しい雰囲気に。

個人的には小幡優作のエピソードを話しているときの、

三又GM「小幡選手、なぜか火野(裕士)選手にだけ心を開くんですよね」

オッキー「そうなんですよ。小幡選手は火野選手にだけ心を許してるんですよね」

という二人のやりとりが面白かった。

確かに小幡も火野もKAIENTAI-DOJO時代からの仲だから、小幡が火野に心を開いているのは分かる。しかし、僕が面白いと思ったのはそういうことではない。

現在ZERO1のリングでは小幡がベビーフェイスで火野がヒールの立場にいるので、あまりベビーvsヒールの抗争を売りにしていないZERO1ではあるが、一応両者は敵対関係にあるのだ。

話を聞きながら「え、『ひの選手』って火野裕士しかいないよね?他に『ひの』っていう名前のレスラーいたっけな?」と心の中で思った。まあこういった多少のツッコミどころがあるのも僕がZERO1を推す理由だったりする。

 

そしてオッキーと三又GMだけでは話が続かないということで、10月にデビューした新人の福島昇治岩崎永遠が登場。

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三又GMが「日高(郁人)と菅原(拓也)だったらどっちが嫌い?」と2人に質問し、会場大ウケ。

 

30分ほどのトークショーが終わり、三又GMの「ひー、ふー、みまっ、ター!」のオープニングコールとともに試合へ。

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第一試合は「技交換&カバン使用OK」3wayマッチ 30分1本勝負

日高郁人vs横山佳和vsKAMIKAZE

 

自分の得意技を試合中に使えないという特殊ルールで行われた試合。道場マッチのオープニングに相応しい楽しいプロレス。写真を見てもらえばお分りいただけるだろう。

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日高郁人(7分12秒 逆さ押さえ込み)横山佳和

 

と、ここまではクリスマスイブかつZERO1の2017年最終興行ということで、ファン感謝祭的要素が強かった。

だが、ここからガラリと空気が一変する。

 

第二試合は「獅子王への道3」シングルマッチ 30分1本勝負

福島昇治vs高岩竜一

 

この試合は新人の福島に用意されたチャレンジマッチ。試合開始のゴングが鳴ると、ロックアップからのグラウンドの攻防という基本的なプロレスが展開される。

福島は高岩をほとんど攻めることができず。

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高岩の攻めをひたすら耐えている間に5分が経過。ここで高岩が福島を起き上がらせて、胸に強烈なチョップを打ち込む。暖房のない寒い会場に「パチンッ」という何かが破裂したような音が響く。

それでも福島は倒れることなく、お返しとばかりに高岩の胸にチョップを打ち返す。

すると高岩も更に強烈なチョップを打ち返し、チョップ合戦が始まる。

チョップ合戦は高岩が制したが、怯むことなく福島は高岩にエルボー、ドロップキック、とガンガン攻める。 

そして回転エビ固め→スモールパッケージホールド→逆さ押さえ込み、と丸め込み技を連発。

しかし、高岩にカウントを返されると、すぐに形勢が逆転。最後はデスバレーボムで高岩が福島に勝利。 

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高岩竜一(11分47秒 片エビ固め)福島昇治

 

試合全体を通して、高岩が福島をロープに振る場面が一度もなかった。試合内容の大半がグラウンドの攻防と打撃だった。複雑な技は一切なく、ほぼ基本技しか繰り出されなかったが、試合終了後の「プロレスを見た」感が半端なかった。

福島も丸め込み3連発であわよくばといった場面を見せていて良かった。

 

 

続いて第三試合。「獅子王への道3」 シングルマッチ 30分1本勝負

大谷晋二郎vs岩崎永遠

 

こちらも第二試合と同じく、新人・岩崎のチャレンジマッチ。試合開始のゴング直後に岩崎は大谷にエルボー連打。

大谷を場外へ出した岩崎は、リングの中央から「来いよ!逃げんなっ!」と叫ぶ。

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リングの中へ戻った大谷は怒りの表情で岩崎を殴る、蹴る、さらには逆エビ固めとボッコボコに。レガースではなく、革製のリングシューズを履いた大谷が岩崎を蹴った時に響いた重たい音には客席から悲鳴も。

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何度も立ち上がった岩崎だったが、大谷にリング中央で逆エビ固めの体勢で捕らえられ、どっしりと腰を下ろされるとあえなくタップ。

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大谷晋二郎(10分10秒 逆エビ固め)岩崎永遠

 

岩崎が大谷を攻めることができなかったというより、大谷が見せ場を作らせなかったといったところ。

ほとんど攻めることはできなかったが、何度やられても目が死んでいなかった岩崎が印象深かった。

とにかく大谷が岩崎をボコボコにしていた。リングアナのオッキーも試合中に岩崎へ「起き上がって!」と声援を送っていたほど。

観客65人の前で見せるかわいがりではなかった。「ここ、後楽園じゃないよ。大谷さん、そこまで叩き潰す?」と思った。

 

 

試合後に大谷が岩崎に握手を求めて手を差し出すと、岩崎は大谷に張り手。

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もう一度大谷が手を差し出しても、岩崎は張り手。

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これが計6回繰り返され、大谷も思わず「握手しろよーっ!」と笑う。

 

最後に大谷が「おしおし」と小声で言い、客席に向かって拍手を求めたときには愛を感じた。

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頑なに握手をしない岩崎も良かった。

 

 

 

第四試合はキャプテンフォールマッチ 30分1本勝負
©︎小幡優作佐藤耕平SUGI vs ©︎田中将斗菅原拓也ハートリー・ジャクソン

 

2018年1月1日後楽園ホール大会で行われる王者・田中将斗vs挑戦者・小幡優作の世界ヘビー級選手権試合の前哨戦。また、この2人のうちのどちらかが負けるまで試合が終わらないというファンにとっては贅沢なルール。

ZERO1の2017年最終試合に相応しいが、「この規模の会場でやっていいの?」といらぬ心配をしてしまうほど豪華な対戦カード。

 

この試合は面白すぎて完全に見入ってしまい、写真を撮ることもできなければ、メモを取ることもできなかった。

いつの間にか隣にいた三又GMも「えーっ!」や「もう一丁いく?」など独り言を漏らしていた。

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 (※写真は試合後の菅原拓也に蹴られて、大きなリアクションをするわけでもなく、無言で菅原から距離を置く三又GM)

 

 

①○菅原拓也(10分4秒 ラ・マヒストラル)佐藤耕平

スーパーヘビー級佐藤耕平からジュニアヘビー級菅原拓也が3カウントを奪うというサプライズ。しかし、そのサプライズに驚く暇もなく、めまぐるしい展開が続く。

 

②○菅原拓也(16分21秒 田中将斗のスライディングD→エビ固め)SUGI

SUGIの壇ノ浦(スワンダイブ式ドラゴン・ラナ)が菅原に決まり、レフェリーがカウントを入れている中、田中がSUGI目掛けてスライディングD。

そのまま菅原がエビで固め、カウント3。


③○田中将斗(18分21秒 スライディングD→体固め)小幡優作

田中組は3人全員残っているのに対し、小幡組はキャプテンの小幡のみ。

3人を相手に孤軍奮闘する小幡だったが、田中のスライディングDに沈んだ。

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試合後、マイクを握った王者の田中が「今日の結果からも分かる。俺がオマエに負けることは絶対にない」と挑戦者の小幡へ辛辣な言葉を残して退場。

一人リングに取り残された小幡は息を切らしながら、「俺に負けることはゼッテェないんだろ?みんなの予想覆して、ゼッテェ(そのベルトを)獲るからな」と普通のマイクアピール。この不器用な感じが小幡の魅力である。

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最後は小幡が新しく考えた締めの言葉、「俺についてこーいっ!」で終了。

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クリスマスイブということで帰り際にはこんな可愛らしいポートレートのプレゼントも。

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観戦終了後、本当に面白いプロレスを見た時の多幸感に僕は浸った。

この感覚、何か身に覚えがある。そう、夏のZERO1後楽園ホール大会の帰りに感じたあの多幸感である。

いや、むしろ今回の多幸感はあの夏に感じたそれを超えていたかもしれない。

「たった65人の観客相手になんでそんなに全力で試合をするの?」と思うほど、熱い試合ばかりだった。会場の規模と試合の熱さの比が合致していなかった。

感覚が麻痺した。現在の僕は「一番凄げえのはZERO1なんだよ!」状態。

「道場マッチ」と聞いたらファン感謝祭的な興行を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、予想以上にガッツリとしたZERO1の本興行だった。「道場マッチ」という言葉がこの面白さを殺してるのではないかと思うほど。

 

収容可能人数が少ない道場での興行はテレビ中継もなければ、週刊プロレスのレポートもないので、同じ都内で開催される後楽園ホール大会に比べて、明らかに発信力がない。だが、僕が見に行った道場マッチには後楽園ホール大会と変わらぬ、熱い試合が詰まっていた。

 

ZERO1の選手たちは会場の規模に関係なく、熱い試合を提供しているのだなと痛感した。 

 

 

 

ちなみに今後の道場マッチのスケジュールがコチラ ↓

 

◆1月 7日(日)
◆1月14日(日)
◆1月21日(日)
◆2月11日(日)
◆2月25日(日)
◆3月11日(日)
◆3月31日(土)

竹芝駅西出口を出ると、目の前にあるので道に迷うこともなし。

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これだけ楽しめるのにチケット代も安い。

今しか見られないTAKESHIBAコロシアムでのZERO1の興行、是非行ってみては?

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ZERO1に心打たれた2017 -夏-

今年の8月26日は金沢駅前の商店街のお祭りで開催された観戦無料の女子プロレスからZERO1高岡大会をハシゴした。

観戦無料ということもあって、女子プロレスの会場には老若男女問わず様々な層の観客が見られた。僕は橋本千紘Tシャツを着て観戦していたのだが、会場で選手Tシャツを着ていた観客は僕を含めて片手で数えられるほどだった。会場にいたその多くはプロレスファンではない様子が伺えた。

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非プロレスファンこそ多かったが、試合が始まると会場は大盛り上がり。メインイベントで勝利したアジャコングが「また来年もここに来ていいですか」と問いかければ、客席にいた子どもたちは大喜び。なんとも微笑ましい光景だった。

そんな光景を見て、心が温まったところで、金沢からZERO1の興行がある富山県高岡市へ移動した。

 

会場の高岡テクノドームに着くと、そこには衝撃的な光景があった。驚くほどにガラガラなのだ。週刊プロレスTwitterを通してZERO1が観客数に伸び悩んでいることは知っていたが、富山県小幡優作の出身地でもあるので、それなりに観客が集まるものだと思っていた。しかし、予想以上に寂しい観客数だった。

つい1時間ほど前まで大盛り上がりのイベントプロレスを見ていたからなのか、会場に入った瞬間、不思議な気分に陥った。さっきまでいた会場とは真逆の空間に来たような感覚。

 

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そんな僕の不思議な気分が熱いものに変わる場面があった。ZERO1の興行の一つの盛り上がりポイントである、大谷晋二郎の顔面ウォッシュに合わせてみんなで叫ぶ「オイッ、オイッ」の掛け声。これがこの日はイマイチ盛り上がらなかったのだが、それでも必死に観客を煽る大谷晋二郎の姿とプロレス少年のような顔をして、観客の誰よりも「オイッ、オイッ」と叫んでいるオッキー沖田リングアナウンサーの姿を見ると、なんて愛のある団体なのだろうと思えてきたのだ。僕は旗揚げ当時からずっとZERO1を応援してきたわけではない。だがあの光景を見た時、ZERO1の人たちが報われる日が来てほしいと心底思った。プロレス会場でこういった感情を持ったのは初めてだった。

そんな熱い思いの中、この日は会場を後にした。

 

 

 

それから5日後の8月31日、僕はZERO1後楽園ホール大会を見に行った。

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8月26日にZERO1高岡大会を見終えた後に夜行バスに乗って東京へ行き、

 

27日 全日本プロレス両国国技館大会&FREEDOMS後楽園ホール大会観戦

28日 神保町・書泉グランデでの天龍源一郎イベント参加

29日 鈍行電車で東京から仙台へ移動→センダイガールズプロレスリング観戦&楽天vs西武観戦

30日 センダイガールズプロレスリング道場での仙女サークル参加

31日 鈍行電車で仙台から東京へ移動→ZERO1後楽園ホール大会観戦

 

といった強行スケジュールを続けていたので、さすがに体力が限界を迎えていた。

過去にも疲労がピークを迎えて、プロレス観戦中に寝てしまったことがあったので、今回もそうなるのだろうと思っていた。

 

しかしながら、いざ試合が始まると、全く違った。むしろ疲れなんて吹っ飛ばしてくれるような興行が待っていた。

笑いあり(横山佳和)、涙あり(田中将斗vs拳王)、熱狂あり、空中技あり(SUGI)、バチバチあり(奥田啓介)、スリリングあり(TARUの入場)、カオスあり(三又又三と観客の野次)といったプロレスの面白い要素が全て詰まっていると言っても過言ではない興行だった。

特にメインイベントの世界ヘビー級選手権 田中将斗vs拳王の試合は言葉では言い表せないほどの興奮を覚えた。30分が経過し、時間切れ引き分けのゴングが鳴った時には自然と涙が溢れてきた。8年前の夏にプロレスと出会って以来、毎日プロレスについて考えている僕が「あれ、プロレスってこんなに面白かったっけ?」と思ったほど、面白かった。

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興行全体を通して、他団体所属やフリーの選手の参戦も多かったことは確かだが、ZERO1のリングにはどの団体よりも闘いがあった。ハイカラなコスチュームを身にまとった若手注目株選手がいるかと言うとそうではない。プ女子受けするものがあるかと言うとなんとも言い難い。でも、僕はあの日、後楽園ホールで確かにプロレスを見た。ホンモノのプロレスを見た帰りは多幸感に溢れるということを知った。あの日の興奮は今でも忘れられない。

 

幸せな気持ちになったのと同時に悔しい気持ちも湧いてきた。素晴らしい興行だったのに大会中継がないと知ったからだ。今ZERO1はどこよりも熱いプロレスを提供しているのに、うまく世間に魅力を発信できていない状況にあるのだ。もっと言うと、「後楽園ホールが埋まらない」という事実だけが一人歩きしている状況にある。8月31日の後楽園ホールも確かに空席が目立っていた。しかし、『客が入らない=つまらない』ではないということをこのブログを通して言っておきたい。

 

 

 

三又又三GMは『KAMINOGE vol.72』のインタビューでこんなことを言っている。

 

「後楽園スッカスカのZERO1には何かオヤジを勃起させる魅力があったんですよ」 

 

僕は現在18歳。決してオヤジと言える年齢ではないが、この言葉には共感できた。

あの日のスッカスカの後楽園ホールには18歳の心に訴えかけてくるものがあった。

 

 

 

 

ZERO1の選手、関係者には本当に報われてほしい。この面白さを中継で伝えられないのなら、実際に会場に足を運んでもらうしかない。

 

今のZERO1のプロレスの面白さを一人でも多くの人に知ってもらいたい。

プロレス見たいならZERO1に行くべし!

自分の目で見たかった橋本vs里村

先月初めて仙台という土地を訪れた。お目当ては全て仙女。

 

イベントプロレスを見たり、

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野球のルールすらちゃんとわかってないけど楽天vs西部を見たり、

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橋本千紘を応援してる青果市場を訪れたり、

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仙女の道場で運動して体力が尽きたり。

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橋本千紘ファン(仙女ファン)としてもう仙台でやるべきことは一通りやった感があったんだけど、1ヶ月後の今月も僕は仙台にいた。

というのも橋本千紘vs里村明衣子を見たくて。橋本千紘ファンの僕からしたら、このカードは2017年の日本プロレス界でいちばんの見逃せないものだった。

今年橋本千紘は仙女定期参戦メンバーの2強・アジャコング松本浩代も倒したし、昨年は初の一騎打ちで里村明衣子にも勝った。

一年ぶりの一騎打ちで里村明衣子を倒せばもう身内に敵なし。もし勝てば、一周しちゃった感があるから、外へ目を向け出すってのもあり得る。

 

「里村勝利で『お前の一年間は薄っぺらかったな』みたいな発言来るか?」

「里村勝利でカタ〜クいくのもありそうだけど、今のおいしい時期の橋本千紘を負かすか?」

「だけど、プロレス3年目の橋本千紘がもう他団体のトップとバンバンやってくことになるのか?」

「他団体における里村ポジにもう立つのか?」

「やっぱ男子以上に狭い女子プロ界だとそうなっちゃうのか?」

 

考えれば考えるほど、この一戦への思いが高まる。期待値は昨年の同カード以上。

 

もともと行く予定ではなかったけど、“決戦の日”が近づくにつれて、「色々考えちゃうけど、ちっち勝て!絶対勝て!」という気持ちが。

 

そして決戦2日前になると「Twitterで結果知りたくねえよ…。ああ、行きたかったな…」に。

そこで気づいた。「あ、俺行けるじゃん」って。9月24日は学校行事もないし、アルバイトのシフトも入ってないし、お金も一応足りてるし。気がつけば、翌日発の夜行バスチケットを買っていた。

 

そして当日は会場で決戦を見守っていた。

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20分越えの激闘の末、橋本千紘里村明衣子にオブライトで勝利。「ちっち勝て!」って思いが強すぎて試合内容はあんまり覚えていない。

終盤で里村がスコーピオライジング→デスバレーボムを仕掛けた時は「あ、終わったな」と思ったし、かと言って最後は橋本千紘の逆転勝利って感じでもなかったから良い試合だったはず。早くサムライTVの中継でこの試合を見直したいといったところ。

 

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僕のプロレスファン人生の中で忘れられない試合になったことは確か。最後オブライトが決まった瞬間なんて泣いちゃったよ。来てよかったあって。Twitterじゃなくて、この空間でこの試合の結果を知れて良かったって。

 

 

橋本「私の仙女を背負ってく覚悟伝わりましたか?この結果が全てだと思ってます」

 

里村「自分自身まだまだ大きいもの掴みたいし、負けても、私の仙女を大きくしていくという覚悟は変わりません(客席に向かって)。もう一回挑戦するから、待っとけ!」

 

からのお互いに礼!

 

もうこれで感情がおかしくなっちゃった。顔がクチャクチャになってただろうから3階の一番前の席を取っておいて良かった。

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そして最後は「ぎゅん」締め。

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興行終了から30分後、試合後の売店にはチャンピオンの姿が。すぐさま列に並んだ。

 

ちっち「えー!来てくれたの!」

 

僕「はい、おとといココに来るの決めて…」

 

ちっち「ありがとう!…(ポートレートにサインを書く前に)えーっと…ごめん、名前思い出せない… 名字は覚えてるんだけど。『○○』だよね。えーっと…」

 

僕「けんごです」

 

ちっち「そうだ!けんごくんだ!」

 

先月は覚えててくれた僕の名前も激闘を終えた直後だと「思い出せない」に。

 

僕「最後の里村さんとのやりとり、超感動しました」

 

ちっち「本当ですか!私はそれよりあなたが今ここに来てくれてることに感動ですよ」

 

橋本千紘はこんな素敵な返しを即興でできちゃう素晴らしい娘(こ)なんですよ!!

嬉しくて嬉しくて、心の中では「もー!そんなこと言われたら、また見に来ちゃうぞ♡」って思ったけどそんなこと言えるはずもなく。

 

僕「リングシューズ変えたんですね!」

 

橋本「初めて言われた〜(嬉しそうな顔で)!

めっちゃ嬉しい!」

 

かなり嬉しそうな顔だったから、正直「そんな喜ぶ!?」と思ったけど、なんだかこっちも嬉しい気持ちに。変化に触れて女の子を喜ばせようとするってもうアイドルの握手会じゃんか。我ながらオタクだなあって…

 

僕「最後に写真いいですか?」

 

橋本「もちろん!」

 

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コレが激闘を終えた後の女の子の笑顔ですよ!

ちょっと前までリングの上で涙目だった女の子ですよ!

試合前はキマってたメイクも全部落ちちゃったんですよ!

それでも売店に自分の足で立ってファンの写真撮影に応じるんですよ!

これが仙女のチャンピオン橋本千紘ですよ!

 

いつもはカメラを向けたら、ベルトを腰に巻いた状態で「ぎゅん」ポーズなのに、この日はベルトを手で持ってアピール。ああ、そうなんだ。今日は特別な日なんだよ。やっぱ分かってるなと。(上から目線だけど)

 

そして最後は握手。

 

橋本「またよろしくお願いします!」(強く手を握りながら)

 

僕「はい!また来ます!」

 

決戦を終えたチャンピオンのおてては柔らかかった(キモい)。

 

 

 

行ってよかった2度目の仙台だった。

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J-CUPとイケメンと私

黒潮二郎、彼を知ったのは2011年12月。僕が小6の頃。彼がデビューした団体、SMASHをよく見ていたので、デビューから間もない頃の彼の試合映像も当然見ていた。その頃の印象は「なんかよく目立つ新人が出てきたなー」というくらい。

 

2012年春、SMASHの解散に伴い、彼は師匠・TAJIRIが旗揚げした新団体、Wrestling New Classic (以下、WNC)の所属となった。

WNCの大会中継が放送されるJ SPORTSに加入していなかったこともあり、僕は彼の試合映像を見なくなった。

試合映像こそ見なくなったものの、週刊プロレスを通して彼の情報はなんとなく追っていた。誌面を見て、「あの新人、今は水泳帽被って試合してんのか」や「DQNってユニットにいるんだ」、「WNC活動停止したからWRESTLE-1の所属になったんだ」など、その程度に知っていた。そこから試合映像を見てみようと思うことはなかった。

 

しかし、出会いは突然やってきた。

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天龍源一郎に昨日のジョー・ドーリングについて聞いた

もともと予定に入れてなかったけど今日は急遽神保町の書泉グランデで開催された天龍源一郎サイン&撮影会に参加してきた。

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もちろんツーショットを撮りたかったのもそうだけど、参加した理由はそれじゃない。

昨日の全日本プロレス両国大会セミファイナルのジョー・ドーリング乱入について。

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というのも天龍さんが週刊プロレスの連載企画「龍魂時評」で「大仁田厚、電流爆破を経験してきた諏訪魔にとって、vs小島戦がこの夏の総仕上げになるだろう」みたいな発言をしてたから。

こんな話をしてたわけだから、ジョーが諏訪魔vs小島聡をぶち壊したことに興味ないわけがないと思って話を聞いてきた。

そうです、私が週プロより先に聞いちゃう意識高い系プヲタなのです。

 

ちなみに生観戦していた僕の感想は「両国って全日本からしたら年間最大の興行でしょ?そんな興行のセミを小島に任せて(失礼)、かつジョーに乱入させてめちゃくちゃにさせるって超面白くね?所属だけで人が足りてるっていうのもあるけど、カタイ新日本はレッスルキングダムのセミで間違えてもそんなことしないよ。全日本、新日本と全く違う路線を走ってて面白いな」って感じ。

 

 

ではここから文字起こし!

 

 

天龍「どうも」

 

僕「どうも。今日は富山からイベント参加しに来ましたよ(ホントは今日参加決めたマン)」

 

天龍「おーホント!ありがとうございます」

 

僕「一つだけ質問よろしいでしょうか」

 

天龍「ええ、いいですよ」

 

僕「昨日の全日本プロレス両国大会で諏訪魔選手と小島聡選手の試合前にジョー・ドーリング選手が諏訪魔選手のことを襲いましたが、そのことについてどうお考えですか」

 

天龍さん「ああ元気なやつもいるもんだねぇ(ニヤリ)。ごめん、まだ見てないから何とも言えないんだけど」

 

僕「ありがとうございます!確かにそうですね!(アハハ)」

 

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まあそりゃそうだよなあーっていう回答が。ただ目が合った状態で「元気なやつもいるもんだねぇ(ニヤリ)」って言われた時はめちゃくちゃ興奮した。重みを感じた。あの“ニヤリ”には長年闘ってきた男にしか出せない味があった。

文字に起こしたら重みがかなり減るんだけど、“天龍源一郎の言葉”を感じたし、本当にいい顔だった。みんなに僕と天龍さんの会話の一部始終を映像で見てほしいほど。

「龍魂時評」を担当している週プロの記者は楽しくてしょうがないだろうな。

 

 

 

はい、以上です。

 

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